JAZZライブに行ってみよう!その2 拍手の話

ジャズ、ボサノバを歌っているボーカルの雨野亜希子です。


前回に引き続き、ジャズライブってどんな感じ?のお話です。

よく質問される事を、あくまでも一般的に、ジャズライブビギナーの方向けに書いていきます。目的は「ね、ジャズライブって怖くないよー(だからおいでねー)」と、ジャズライブに来るハードルを下げる事です笑。

今回はお支払いについでよく質問される「拍手」について。ぱちぱちぱち。


ジャズライブでは、曲の途中で拍手が起きるタイミングが何回か出て来ます。慣れないと、「え、今どうして拍手したの?」「今度はいつ拍手すれば良いの?」と戸惑う事もあるでしょう。

別に拍手しなくても良いのですが、せっかくライブに行くなら自分も一緒に盛り上がりたいですよね(ね?)。なのでどんなタイミングで拍手されているのか書いてみたいと思います。

色々例外はありますが、基本的にジャズの演奏は、「テーマ&ソロ」という形態をとっています。

その形態について書いたら長くなってしまったので、一旦それは置いておきます。また別で書きます。

さて、拍手の話に戻ると、テーマに続けてれぞれの楽器奏者がソロをとりますが、そのソロが終わるたびに、そのプレイヤーに対して拍手を送ります。これが曲の途中の拍手です。

例えばフィギュアスケートでも、ジャンプが決まったり、美しいスケーティングに感動すれば、1つのプログラムの途中でも自然と拍手がおきますよね。それと同じです。ライブでは、バンドの中のそれぞれの演奏者が、1曲の中で交代ごうたいで素敵な滑り(ソロ)を見せてくれるのです。

とはいえ、最初はどこでどの人のソロが始まって、いつ終わったのかすらわからないこともあるでしょう。そんな時は周りの人が拍手したら合わせて拍手する。これで十〜〜〜分です。

そのうちに、「ここがソロの終わりだな」というのがわかってきます。ソロは基本的にテーマに沿っているのでサイズは曲ごとに決まってきますし、ソロをとっているミュージシャン側だって次の人にバトンタッチする(あるいは最後にもう一回テーマに戻らなければいけない)ために、周りの奏者に「次の人どうぞー」という事を演奏で伝えているのです。なので、注意して聞いていると何を言っているのかだんだんとわかってきます。

例えば「オレそろそろ終わるよ。次誰ソロ行く?え、もう1回オレ?いや、オレはもういいから次の人いって。じゃあー、ベース!はい、よろしくっ!」というのもあるかもしれません(ちょっと長いけど笑)

拍手から話がずれますが、こういう演奏での会話がわかってくるとジャズライブは俄然楽しくなります。なので、ぜひいろんなライブに行って、色んな人の音楽での会話を見てみてくださいね。

さて、拍手のタイミングについて書いてきましたが、タイミングがわかっても「今のソロ、なんか面白くなかったな」という時は、もちろん無理に拍手することもありません。だって拍手は「良かったよ!」という気持ちの表し方なのですから。

でもやっぱりジャズにおけるソロというのはミュージシャン渾身の表現の場なので、私は仮に好きな演奏でなくても「熱意は伝わったよ!」的な気持ちで拍手します。プレイヤーは拍手の感じで「お、めっちゃ楽しんでくれたな」とか、「あぁ、これは『頑張れよ』の拍手だな」とか、結構わかるものです。

実は面白いことに、ものすごく素晴らしいソロであるがゆえに、聴きいってしまって拍手しそこねることもあります。ほうっと溜息をついた時にはもう次の人のソロだった、みたいな。

また、バラードのような静かな曲であまり熱い拍手をしても曲の邪魔になってしまうので、あえて拍手をしない事もあるかもしれません。でもこれも、じっと聴き入ってくれているのをプレイヤーは感じ取っています。ライブというのは本当に演奏者とお客さんが一緒に会話をしたり気持ちを共有したりするものなんですね。

さあ、こんな感じで拍手の話でした。最初は周りに合わせて拍手していたあなたが、自分の気持ち通りに拍手したり、あえて静かに聴き入るようになってきたら、それはあなたもライブに参加して、ステージのミュージシャンと会話をしているということになるのかもしれませんよ!


次は、この話で書ききれなかった「テーマ&ソロ」について書いてみたいと思います。

長くなりそうで気が重い笑。頑張ります。

読んでいただきありがとうございました。


雨野亜希子





AKIKORAIN

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