「蜜蜂と遠雷」にヒリヒリした話


ライブが中止になってしまいがっかりしている中、

読んでエネルギーをもらったのがGW中に読んでいた恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」。


そこそこの長編ですが、舞台はほぼピアノコンクールの舞台オンリー。

それでも全く飽きる事なく、最後までグイグイ読んでしまいました。


コンテスタントとして出場する登場人物達が、

人の演奏に憧れたり羨んだり自分に落ち込んだり

それぞれ悩みながらも自分の音楽を模索していく様子は、

そんな天才ではない自分でも

重なる部分がありヒリヒリしました。


驚いたのは、

音楽という目に見えないものを色々な角度から表現した恩田さんの文章。

もともと作家というのは

「目に見えないものを形にする」職業なのかもしれませんが、

それにしても同じ舞台で同じピアノという楽器から出される音

(覚えていないけど恐らく30曲以上)を、

ワンパターンにせずあれだけ多彩に表現されるとは

文章力の前に音楽の造詣も深いのだろうと思わされます。


というわけで、

思いがけず本から音楽のエネルギーをもらった感じで

「ライブ中止かぁ(この1年そんなんばっかりだよ)」

というふてくされた気持ちが

「早く次の準備しよ」とちょっと前向きになりました。


この本で悩ましいのは、

読むとむちゃくちゃ練習したくなるけど

本の続きが気になってつい練習が後回しになる

というジレンマに陥るところでしょうか笑


ともかく音楽好きにもそうでない方にも

ぜひ読んでいただきたいと思っての

今回の記事でした。

AKIKORAIN

Jazz、Brazilian、Pops Singer 雨野亜希子のHP

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